トーチとノート 虎の巻

光源と情報 熱量と文章+α(雑記とか)

物思いに耽る

私は今から、空想するかもしれない。
空想しようと思う。
雨降りの夕方、古ぼけた喫茶店で、上等とは言えないコーヒーを飲む。

外を走る車が見える。
たった今を、私は生きてる。

私は、自身のことを、この世界に一人佇む存在だ、って思う。
繋がりを求める姿は滑稽ですよと、後ろ指差される気配に狼狽える。
虚空、虚構の世界に身を寄せる時もある。
そんなこと、人に言えばこそ滑稽だ。

頭のなかで考えてることを、外に出すってことは滑稽だ。
何て弱いんだろう。
まあいいや。

たった今を、私は生きていた。
ちょっとの先を、私は生きるだろう。

私は、絶え間なく継続する現在を生きている。

なんて、当たり前のことをしゃべってしまう辺り、
目の前のコーヒーみたいに味気のない存在だなぁ?

まあいいさ、よくないな。
思考の回路を俊巡する電流みたいな自我がある。

自我とは、回路のことじゃないのかなぁ?
意味のない問答。
先のない問答。

孤独のはてに何を見る。虚空のなかになにがある。

虚空のなかには何かがある。

何かが存在すると仮定して、そんな仮定に意味などないから、先はないんだ。

私は、打ちひしがれる存在だ。
そして私は、打たれ弱い存在だ。
私は、自身を1つ1つ確かめるみたいに、自虐してるのかなぁ?

私の唯一の存在証明の方法は、自虐なのかもしれないな。

なんて、哀れで滑稽な存在か。

私は、そんなことを、確認してるんだ。
私は、たった今、生きている。

私が生きることとは、そんなことを確認するということなのかもしれないな。
私は、自身の輪郭を確かめる。
どうやって?
明らかな欠陥を見つめる。

明らかな欠陥、虚構、虚空。

虚空を見つめることは、自身の輪郭を確かめるということ。
自身の輪郭を確かめることは、自身が生きていることを認識する作業だと仮定する。
自分が生きていることを確認する作業を行うとして、そこにはなんの意味もないんだ。
時間を無駄にしているだけなのかもな。

生の手触りを確かめる。自身の存在を確かめる。

確かめるだけ、飽きたら閉じて、少したったら再確認。
この先も繰り返し繰り返し何十年と、そんなことをして、人生を過ごすのかな。
時間の無駄、体力の無駄。

そんなんなら、バイトでもした方がいいかもな。

金を稼ぐこと。それさえも無駄だと言う。
究極の阿呆だと思うよ。

ああ、また自虐と再確認。
そうやって繰り返して、前に転がるのかもな。

自虐は、きっと何かの代償行為なのかもな。

だとしてだ、なんでもない。もういいさ。
まあ、どうでもいいよ。

なんだか、なんでもいい。

とりとめのないお話し。
なんだかなぁ、終わりが見えない。

終わりが見えない話を聞くほど他人は暇じゃない。
そう思うよ。
でもね。
目的地があっても、なくても旅は楽しい。
そんな感じに、漂う、さ迷う。

ああ、とても滑稽で幸せな、馴れ合い。

それでいいって思いたいな。
それだけで生きれたらな。
ああ、すべてがあやふやになって、なにもなくなる。

跡形もなく、煙もなく、存在が失われる。

ああ、とても幸せ。
ああ、なんて愚か。

ほんものの愚か者になって、幸せになれるよ。

ああ、ぜんぶなくなってしまう。

きっとそれで、[ハッピーエンドなんだ]。