優しさの傷痕
ああ、なんだかさびしい気持ちが、生まれた。
そわそわするのは、空いた穴が塞がらないから。
これまでもさびしかった。
でも、それとは違うさびしさだ。
優しくしたい気持ちが反転して、相手を傷つけた。
愛することと傷付けることについて、考える。
自分の中のもどかしさが、ある。
言いたくもないことを言ってしまったな。
後の祭り、後悔は先に立ってなどくれない。
きっとそうやって繰り返すんだ。
何て、バカなんだ、哀れで滑稽だ。
いっそのこと完膚なきまでに壊されてしまえばいいな。
そうしたら、人に優しくもしないし、傷付けたりもしない。
ああ、さびしい人だ。
なんでもないさ、ただ苦しい。
そうやって生きていけ、自分。
どうやったってうまく歩けないんだ。
今さらうまくなったって手遅れだ。
無様でも、醜態を晒すことになってもいいよ。
後ろ指なんて当たり前だ。
今さら何を怖がる。
[人に触れていたいと思うこれはなんだ]。