トーチとノート 虎の巻

光源と情報 熱量と文章+α(雑記とか)

雨_桜花_寒空

ガラス一枚隔てた外で
雨が降り続けている

桜の花びらしがみつく
それらの半分ほどは地に臥し
雨に流れる

舞わないで墜ちて、まるで私の心のようです

あぁ、寒いなぁ
どこが?
なにが?

片側は、この世界のどこかにあるから
その断面がとても寒いのか

ぽっかり空いた穴みたいな

吹き抜ける季節外れの

水溜まりに無数の波紋

あまつぶあまつぶ

帰りは雨

ぼくのいえはどこ?

居場所が欲しい

陽だまりで日向ぼっこするようなそんな、風景の中に熔けていけない今があるから

無機質な部屋、冷蔵庫には水のボトル
渇いてもいないのにひとくち飲んで

なんのために続くのか―雨―日々―

陰鬱としたまいにちを生きる呼吸が

死にたくはない

ただひたすらに悲しいのだ

それから逃げるわけでもなくされるがままに

それが私の存在証明

この世界の透明な暴力をなにかの代償行為として微笑んで

悲しみに苛まれる日々にこの身を預けて
今日の日も暮れる

そして、明日も日が昇る

終わり―循環―輪廻―廻り続ける世界―始まり